山形県東根市立東根小学校5年2組で実施した『コロナに喝!!プログラミング特別授業「micro:bitでアルコール噴霧器を作って温泉組合に寄贈しよう」』が終了しました。
■ビジョンの確立
東根小学校は子供がお世話になっている学校です。今年の夏休みの自由研究としてmicro:bitを使用して「熱チュウ君」を作りました。これは、温度30℃以上をmicro:bitが検知したときに、スピーカーから音を鳴らして危険をお知らせする…というものでした。
それを子供が学校で報告した際に、先生から新型コロナウィルスの影響を受けている東根をmicro:bitを使って救えないか…という相談がありました。東根温泉街も少なからずコロナの影響を受け観光客が減り、宿泊客が減っている状態でした。そこで「アルコール噴霧器を作るのはどうか」という話になり、完成品を東根温泉協会へ寄贈したいという、このビジョンが確立したのです。
■カリキュラムの作成
単なるプログラミングの授業にしたくなかったため、ビジョンを「社会課題の解決」に設定しました。さらに、東根市の社会問題だけをとらえるのも視野が狭くなります。このため、子供達には、SDGsとSociety 5.0を勉強してもらうことを考えました。
これらをもとに、以下のようなカリキュラムを設定し、総合学習の時間で勉強してもらいました。
(1日目)
SDGsとはなにか?
Society 5.0とはなにか?
ビジョンの共有
(2日目)
アルコール噴霧器のイメージ動画視聴
チーム作成
役割確認
(3日目)
アルコール噴霧器制作
micro:bitの説明
MakeCodeの使い方説明
MakeCodeでのプログラミング
(4日目)
アルコール噴霧器制作
MakeCodeでのプログラミング
動作確認
(5日目)
アルコール噴霧器制作
MakeCodeでのプログラミング
動作確認~完成
(6日目)
温泉組合様への寄贈
■無事に東根温泉組合様に寄贈できました
最初はどうなることかと思いつつ、コロナ時代に非常にマッチした社会課題解決につながる活動になることだけは確信できていました。
ただ、子供たちにどこまで工作させるか…については大きな課題でした。このため、ハンダ付けなどが不要なキットを使わせたり、グルーガンや両面テープなどを活用し、安全な工作を目指しました。
プログラミングは特に問題なかったと思いました。この学年には何度かにわたってScratch等のプログラミング学習を経験してもらっていたため、パソコンの基本操作やMakecodeの使い方を覚える手間が省けたのは大きな効果でした。
私は、プログラミングを学ぶためのプログラミング教育というのは本末転倒だと思っています。地域課題をコンピュータを使って解決する。その際に少なからずプログラミングができれば人に頼らずに自分でシステムを構築し、自ら問題解決まで一気通貫して到達することができる。その過程において、試行錯誤、失敗の繰り返し、仲間とのコミュニケーション力向上、意思決定力向上、そして、論理的思考力が身についていく…これがプログラミングを学ぶ大きな意義ではないでしょうか。
今回の、この『コロナに喝!!プログラミング特別授業「micro:bitでアルコール噴霧器を作って温泉組合に寄贈しよう」』プロジェクトによって子供たちの経験値UP、様々なスキルの向上につながってもらえたならうれしいです。
そして、先生や学校関係者にも喜んでいただけたら、地元IT事業者としても、MIEEとしてもこれ以上ない喜びですね♪
お世話になったすべての皆様に、この場をお借りして感謝申し上げます。
Digital College キラリドリーム 学長
ダブルインフィニティコーディネート 代表
齋藤博美